知的財産とは、人間の知的な活動から生まれた創作物です。

知的財産権には、特許、実用新案、意匠、商標、著作権等があります。

以下に、特許庁への出願手続きを行う知的財産権の内容を説明します。

 

特許権

・発明を保護します。

 新しいアイデアが生まれた場合に発明として保護します。

 発明には「もの」と「方法」の発明があります。

・特許出願の審査には、出願から3年以内に審査を行うか否かを判断する審査請求制度があり、別途費用が発生します。

・保護期間は、出願から20年です。

 

実用新案権

・物品の形状等の考案を保護します。

 特許権で保護する発明程は高度ではない小発明を保護します。

 例えば、主婦が考案した健康用サンダル、クイックルワイパーです。

・審査は、特許のような実体的な審査が行われず、方式的及び基礎的な要件の審査が行われます。そのため、ライフサイクルか短い商品や早期権利化の保護を望む場合に適切な出願です。

・保護期間は、出願から15年です。

 

意匠権

・物品のデザインを保護します。物品の形状、模様などのデザインを保護します。

・電子機器の画像、建築物、建築物の内装も保護されます。

 画像の意匠としては、操作画像、表示画像が保護されます。

 操作画像として、例えば、ウエブサイトの画像(商品購入用画像)、操作用のアイコンの画像単体も保護されます。

 表示画像として、例えば、測定結果を表示する画像が保護されます。

 このような保護対象の拡大により、 サービス業の方も、創作したデザインを保護し易くすることができるようになりました。

・保護期間は、出願から25年です。

 

商標権

・商標は会社名、会社のロゴマーク、商品・サービスに使用するマーク、ネーミングを保護します。

 ご自身が取り扱う商品又はサービスと他人が取り扱う商品又はサービスを区別するためのマークを保護します。

・商標出願では、商標の特定及び商品・役務(サービス)の指定を行います。

出願された商標について、識別力、先後願、類似などの要件が審査されます。

・商標権では、音、色彩のみ、ホログラムのような商標も保護します。

・保護期間は、登録されてから10年です。保護期間を更新できます。

 

・商標には、以下の機能があります。

   自己の商品・役務(サービス)を、他人の商品・役務(サービス)と識別する機能(自他商品役務識別機能)。

   商品・役務(サービス)の出所を表示する機能(出所表示機能)。

   商品の品質・役務(サービス)の質を保証する機能(品質保証機能)。

   商品・役務(サービス)を宣伝する機能(宣伝広告機能)。

 

 上記の権利を取得することにより、権利者は、権利の活用を図ることができます。

権利者は、独占的に実施でき、他人の実施を牽制できます(独占排他権)。

また、権利者は実施したい人に実施を許可してあげることで(実施許諾)、利益をあげることができます(ライセンス収入)。

 

また、以下のような効果が得られるものと考えられます。

(1)特許の効果について

 

・自社の技術力を見直すことができる。

・他社の技術力との差別化を図れる。

・さらなる開発・研究への意欲が高まる。

・製品・ホームページ等での宣伝・アピール、信用力の獲得等。

 

(2)意匠の効果について

 

・紛争が水面下で解決する場合が多い。

・技術的な特徴を外観として保護できる。

・ブランドの保護に役立つ。

侵害品の輸入差押えの実績が、特許より多い

 

 

(3)商標の効果について

 

・安心して商標を使うことができる

・模倣品を排除できる。

・商標による差別化ができる。

・商標が商品・サービスの普通名称になるのを防ぐ(普通名称化の例:セロテープ)。

・ライセンスにより、収入・知名度が上がる。

 

・取引先などからの信頼・評価が上がる。